このごろになって「男性更年期障害」という言葉が、テレビや雑誌でも語られるようになってきました。
厚生労働省の2022年の調査では、50代の4割以上の男性が男性更年期の症状の中等度の不調があると回答。このように、男性にも更年期があり、その不調に悩む人も少なくありません。
男性の更年期は女性のように「閉経」といったわかりやすい指標がないため、自分で判断するのが難しいという特徴があります。また、若くてもストレスや生活習慣の乱れによって、男性ホルモンのテストステロンが低下こともあります。
症状は、基本的には女性の更年期と変わりませんが、男性の場合、うつ症状が強く出やすいのも特徴です。
多くの男性は、子どものころから「男は強く生きるべきだ」と言い聞かされています。また多くの場合、ご自身も周囲も「男らしく」あることを期待します。そのため体調がすぐれなくても相談がしづらい、周囲が認めないといった二重のストレスがあるようです。
そうでなくても、仕事でも家庭でも責任を抱えやすい年代です。
大きなストレスを溜め込みやすいうえ、気力の減退や集中力の低下は、「なまけている」「気のせい」「男らしくない」などと誤解され、周囲から理解が得られにくいこともあります。
日本の自殺者は年間2万人以上に及びますが、男性更年期の不調が出やすい40代、50代の男性がその4分の1を占めています*。この中には、性ホルモンの低下による不調が原因となっている可能性もあります。
*出典:令和6年 厚生労働省「自殺の動向について」
更年期は治療法も対処法もあります。
最近では、泌尿器科だけでなく、男性更年期外来やメンズヘルス外来などがある医療機関もあります。
まずは、ひとりで抱え込まずに相談を。また、もしもパートナーや、周囲の男性の変化を感じたら、早めの受診をおすすめください。
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